一人で行く、お城と飛騨地方の文化に触れる旅
1.高山ってどんなとこ?
私は2023年の夏に高山の一人旅をした。愛知に住んで15年近くになるが、一度観光地として有名な
高山に行ってみたかったからだが、もう一つ理由がある。私は城巡りが大好きで、特に天守のある
お城に目がない。高山へのルート上には、令和5年春にリニューアルオープンした郡上八幡城がある。
ここにも行けるので一石二鳥だと思った。夏にしようと思ったのは、買ったばかりの大型バイクでの
初ツーリングを兼ねたいと思ったからだ。高山は天守を擁したお城こそないが、❝高山陣屋❞がある。
私は歴史好きでもあるので、陣屋というものを一度見たかった。あとは❝飛騨の里❞に興味があった。
そしてテレビ中継でよく見る❝中橋❞だ。
2.郡上八幡→高山へのアクセス
私はJRで下呂に二度行ったことがある。高山は下呂のさらに北なので名古屋からなら、岐阜経由の
❝特急ひだ❞で行かれる方が圧倒的に多いのではないだろうか。
私は大型バイクで初ツーリングのつもりが、雨予報により泣く泣く愛車のアテンザで行くことに
した。買ったばかりの❝YAMAHA MT-07❞を濡らしたくなかった。
郡上八幡城へは名神高速→東海北陸道経由で郡上八幡ICを降り、その後はR156→R158でひたすら
山道を行った。私のアテンザはディーゼルターボのAWDなので、ワインディングロードの
ドライブは快適だった。東海市の自宅から郡上八幡城まで1時間強、城から高山のホテルまでは
2時間弱で行くことができた。
3.郡上八幡城 ~山城からの絶景~

昔、仕事で名古屋勤務だった時、月一で郡上八幡に来ていた。いつも城の側まで来ながら、
一度も行けずにいた。約30年超しの念願だった、郡上八幡城訪問だった。
高速ICから城までは近いが、郡上八幡城へは勾配がきつく狭隘な道を登った山上にあった。
車で登っていけるが十分に注意が必要だ。
冒頭にも言った様に、リニューアルオープンしたお城は白亜の美しい天守だった。
郡上八幡城の天守は日本最古の木造再建築だそうで、お堀こそないが、とても立派な城壁を備えた
威風堂々とした天守だった。天守内は小さいながらも映像をふんだんに使ったもので、郡上八幡城の
歴史を分かり易く解説していた。
そして、天守最上階の眺望はやはり圧巻だった。これでこそ山城だと思わせる城下町の絶景を眺める
ことができた。
私は夏に訪れたが、お城周辺には紅葉が多数植えてあり、紅葉の季節は白亜の天守が燃える様な
紅に包まれるらしい。秋の夜には紅葉に囲まれてライトアップされた天守の姿が観れるらしい。
是非とも秋に訪れてみたいと思った。
郡上八幡ではお城のみが目的だったが、後から考えると城下町を少しくらい探索して何か食べて
いけば良かったと後悔した。
4.高山
1)高山の温泉 高山グリーンホテル 天領の湯~風雅~
雨予報だったものの、雲はあったが晴れていた。郡上八幡から山間部の国道を抜けて高山に到着。
ホテルのチェックインには早いので、先ずは運転で疲れた身体を癒そうと、日帰り入浴できる温泉に
入ることにした。ちょうどルート上に露天風呂と大浴場の口コミが人気だった高山グリーンホテルが
あったので、日帰り入浴で利用させてもらうことにした。
利用料金は¥1,500と少々お高いが、昼間早い時間のせいか、大きなホテルにも拘わらず貸し切りに
近い状態で入ることができた。弱アルカリ性の温泉は暑すぎず、大きな大浴場と庭園露天風呂は、
とても開放感に浸ることができた。
2)名物❝朴葉味噌❞

温泉で疲れを癒した後、お腹がすいたので食べることにした。高山と言えば❝朴葉味噌❞が有名だが
JR高山駅周辺に料理屋が何軒かあったので市営駐車場に車を停め、徒歩で食べに行くことにした。
朴葉味噌はどこの店でも出しているようで、私は朴葉味噌の定食をいただいた。旅館でよく見る
固形燃料で加熱する台座に陶器のプレートが載り、その上に地の野菜を味噌で和えたものを載せた
朴葉が敷いてあった。店員さんが食べごろを教えてくれて、美味しくいただいた。野菜だけでも
メインディッシュになり得る、食べ応えのある朴葉味噌定食に感心した。
3)高山陣屋
食事を済ませてもホテルのチェックインまでには時間があったので、高山観光の目的であった
❝高山陣屋❞に行くことにした。陣屋とは何ぞや?と旅行前にざっくり予習していたが、実際に
行ってみ拝観させていただいて、その役割が良く分かった。
高山は江戸期、幕府の直轄地で、直轄地におかれる幕府の出先機関である役所が❝陣屋❞だ。
現代の役所と違うのは、行政機能だけでなく、警察業務、裁判業務も全て担うということだ。
要はお役所のある官庁街がこの❝高山陣屋❞の一つの建物に全て集約されているということだ。
役割が多いので当然多くの部署が存在し、部署の数だけ部屋も必要ということになる。だから
陣屋の敷地は広大で数えきれない部屋数があった。私はお城巡りの時もそうだが、展示資料は
なるべく全部読まなければ気が済まない。文献をじっくり読んでいたら、二時間も経っていた。
そのおかげで陣屋というものがどういう存在なのか良く分かって満足だった。
4)一人旅の宿 ~ルートインホテルで過ごす快適な夜~
私は50代で一人旅を本格的に始めたが、宿泊はビジネスホテルなら安いだろう程度にしか考えて
なかった。ビジホの認識が30年前の感覚の私は、安価なビジホに宿泊の質など求めていなかった。
しかしながら、25年振りくらいに利用したビジネスホテル(ルートイン)の実態に驚いた。
ベットは幅広で快適なマットレス、大画面の液晶TVに大浴場、豪華な朝食バイキングetc…
もはや単なるビジネスホテルとは言えない。それを裏付けるように宿泊客の殆どが家族連れか
カップルだった。更に言うと、早めの予約だったとは言え繁忙期なのに一泊¥8,000程度だった。
以来、大浴場に定評のあるルートインやAPA等のホテルを利用することにしている。
ルートインは全国にあって、殆どに人工温泉の大浴場がある。ビジホなのだから、大浴場がある
だけでもすごいが、ルートインという名前の後に❝グランティア❞とつくホテルがいくつか存在し、
グランティアには天然温泉があるのだ。今回泊まったグランティア飛騨高山もその一つだ。
夕方になってついに雨が降ってきたが、17時前にチェックインを済ませた。部屋は普通のシングル
だが、ベットは130センチくらいの幅があって、ニトリに売ってるセミダブルより広かった。
マットレスのベッドに寝転がっただけで寝落ちしそうな心地良さだった。
夕食はバイキングだが、時間もあるので、まず天然温泉の大浴場に行った。昼間の天領の湯には
劣るが、熱めで心地よかった。
年末年始にも富士市のルートインに宿泊しているが、ホテルの大浴場はいつ行ってもそんなに
混んでない。スーパー銭湯と比較するからそう見えるだけかもしれないが、2023年の春に
APAグループのビジホに泊まった時も多数の宿泊者がいたにも拘わらず、屋上の大浴場は
貸し切り状態だった。私の様に大浴場に拘る客は少数派で、部屋のユニットバスで済ませる人が
多いということなのではないだろうか。
大浴場から出て、夕食のバイキングを食べに行った。夕食もオプションでバイキングにしたのだ。
バイキングは30種類以上の料理が並べてあり、昼に食べた朴葉味噌もあった。高山ラーメンも置いて
あり、ホテルチェーンとはいえ、ご当地の料理も取り入れたバイキングのようだった。
一人旅は気ままで好きだが、食事の時だけは楽しそうに食べる家族連れが羨ましかったりする。
少し寂しさ感じるところだが、バイキングでテンションが上がり、そんなことは忘れていた。
この歳になっても好きなものを好きなだけ食べれるのは幸せなことだ。
寝る前に再び大浴場に行き、温泉を堪能した。部屋に戻ったが、ルートインのベッドはやはり爆睡
できる。家の布団より寝れた。家でもマットレスを買えば、これくらい寝れるのだろうか?
翌朝再びバイキングを堪能してから朝風呂に入り、ホテルを出発した。
5)飛騨の里 ~飛騨地方の古民家と当時の暮らしを知る~

旅行二日目、今日のメインは❝飛騨の里❞だ。正確には、❝飛騨民俗村❞という総称があり、その中に
飛騨の里と民俗村がある。ここでは、❝さるぼぼ❞とか❝組み紐❞とかの製作体験もできるようになって
いて、それも人気らしいが、私は古民家の方に興味があった。ここには重要文化財を含む、飛騨地方
の古い民家が移築復元され、当時の農村の暮しを知ることができる。一つの農村のような配置で何軒
かの古民家が移築されていて、白川村にあるような合掌造りの家や様々なタイプの民家があった。
家の中も見ることができ、当時の山村に暮らす人々の生活や工夫に感心させられた。
外国人の観光客も結構いて、皆さん驚きをもって見学していた。ここは小中学生のお子さんにも
とても勉強になる博物館だと思う。私も初めての観るものばかりでとても勉強になった。
6)飛騨高山宮川朝市 ~次回は必ず行ってみたい日本三大朝市~
飛騨の里を出て、帰る前に土産を買おうと商店街に向けて中橋で宮川を渡る途中に、はっとした。
日本三大朝市の一つと言われる❝飛騨高山宮川朝市❞に行くのを完全に忘れていた。大失態だ。
高山陣屋と並んで行ってみたいと思っていたのに、ホテルの朝バイキングでお腹一杯になった時、
頭から完全に抜けてしまっていた。ちょうど中橋を東に渡った川沿いで、朝やっていたはずだった。
悔やまれたが仕方ない。土産だけ買って帰路につくことにした。
高山市商店街はざっくり言うと、R158沿いに東西にのびる“安川通り商店街”を中心に、南北に
いくつかの商店街が交差する形で形成されていて、なかなか大きな規模の商店街だった。
いろいろ迷った挙句に結局、親しい友人に❝さるぼぼ❞を買って帰路についた。
5.まとめ
私も利用したことがあるが、名古屋から高山や下呂への旅なら、山間の景色が堪能できる
❝JR特急ひだ❞が定番だろう。
でも私のような、ぼっちで車やバイク好きには、山間のワインディングロードのドライブや
バイクツーリングも楽しめる、とても魅力的なコースであることも確かだ。
好きな場所とタイミングで休憩したり写真を撮ったりしながら、一人の気楽さを味わえると思う。
山城からの絶景に感動した後は、ツーリングで疲れた体を温泉で癒し、飛騨地方の文化に触れる。
夜は郷土料理を堪能して再び温泉に入って大きなマットレスのベットで爆睡する。
何と贅沢な一人旅かと思う。
by かずピョン

